Narudoa  ナルドの香油

● ヨハネ伝12:1~8  マルコ伝14:3~9

マリヤは價高き混りなきナルドの香油一斤を持ち来たりてイエスの御足にぬり、己が頭髪にて御足を拭ひしに、香油のかをり家に満ちたり・・・。

イエス言ひ給ふ 『・・・此の女は、なし得る限りをなして、我が體に香油をそゝぎ、預じめ葬りの備をなせり。誠に汝らに告ぐ、全世界、何處にても、福音の宣伝へらるる處には、この女の為しし事も記念として語らるべし』

主イエス・キリストが、弟子たちと共にベタニヤに行き、食事の席に招かれた時、ラザロの姉妹マリヤが、手にナルドの香油の入った石膏の壺を持ってきて、その壺を毀して、香油をイエスの頭に注ぎ、足にぬり、自分の頭髪をもって拭ったのであった。

主イエスを、祭司長らに売り渡そうと企んでいたイスカリオテのユダがこれを見て、お金欲しさから、『なに故かく濫りに油を費すか、この油を300デナリ余りに売りて貧しき者に施すことを得たりしものを』と言って、彼女を咎めたとある。

主は諫めて『この女の為すに任せよ、我が葬りの日のために之を貯へたるなり』と言われた。

ナルドの香油とは高価なものである。ヒマラヤの高地に自生する甘松香の多年草で、その根を水蒸気蒸留して抽出した香料で香りをつけた油である。

ソロモン王は、これを愛用し(雅歌1:12)、王妃たちや側女たちの園に植えた(雅歌4:13,14) 。謂わば王侯貴族が用いた高価な香油であった。

マリヤはそれを一斤(160匁=600g)持っていたのである。価格にして300デナリ=ローマの兵士の300日分の給料に相当する額である。

彼女にとって貴重な寶であっに相違ない。しかしマリヤはイエス様の葬りの備えのために、己が持ち物の至良き物を惜しげもなく全てを献げたのである。日頃主イエスの気高く深い神聖な愛を受けていたマリヤは、最高の物をささげて主の愛に報いたのだった。

マルコ伝12:41~44で、主は、レプタ二つを献げた貧しき寡婦は、富める人が豊かな持ち物の中から献げたよりも多くのもの、即ち生命の代を献げたのだと弟子たちに語られた。

また、アブラハムも、主が、独子イサクを燔祭に献げよと命じた時、その言葉に從いモリア山にイサクを連れて行き献げんとした。主は彼の信仰を喜び、イサクの代わりに羔を備え、誓いをもて彼を祝み、子孫を増し、その裔なる主イエス・キリストによって世界万民に幸いを与えると約束された。(創世記22章より)

我等も己が至清き心と体とを主に献げ、その栄光を顕わすものでありたい。

ロマ書12:1,2

されば兄弟よ、われ神のもろもろの慈悲によりて汝らに勧む、己が身を神の悦びたまふ潔き活ける供物として献げよ、これ霊の祭なり。又この世に效ふな、神の御意の善にして悦ぶべく、かつ全きことを瓣へ知らんために心を更へて新にせよ。

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聖餐式

● ヨハネ第1書 4:9,10