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時にサレムの王メルキゼデク、パンと酒とを持出すり 彼は至高き神の祭司なりき 彼アブラムを祝して言ひけるは 願くは天地の主(ぬし)なる至高神(いとたかきかみ)アブラムを祝福(めぐ)みたまへ 願はくは汝の敵を汝の手に付したまひし至高神に稱譽(ほまれ)あれと アブラム乃ち彼に其諸(すべて)の物の什分の一を饋(おく)れり -創世記14章より-

アブラムは、甥のロトらがエドムの王ケダラオメルらによって虜にされたと聞き、奪い返そうと家の子318人と、契約を結んだマムレたちと共に戦いに出かけ、夜に乗じて攻めて撃ち破り、ロトと婦人たちと民と凡ての持物を取返してめでたく帰還した。

その時、サレムの王メルキゼデクが勝利者アブラムを迎えて、神の名をもって祝福した。メルキゼデクの言葉によってアブラムは、自らの信ずる神が 「至高神」 であることを知った。

メルキゼデクが持出した 「パンと酒」 とは、主イエス・キリストの御肉と御血を指している。即ち、主が言われた 「我は天より降りし活けるパンなり。人このパンを食はば永遠に活くべし。わが與ふるパンは我が肉なり、世の生命のために之を與へん」 また わが肉は眞の食物、わが血は眞の飲物なり」 を意味し ヨハネ6:51,57、「主の聖餐」を意味している。

時にロトが住むソドムの王がアブラムに礼物を贈ろうとしたが、アブラムは天地の主なる至高き神エホバの名を指して、一本の糸でも靴ひもでも彼から受け取らないと断った。後になって恩着せがましい口実を与えないためだった。

へブル書7章1~3節にはメルキゼデクについてこう記されている。

此のメルキゼデクはサレムの王にて至高き神の祭司たりしが、王たちを破りて還るアブラハムを迎へて祝福せり。アブラハムは彼に凡ての物の十分の一を分與へたり。その名を釋けば第一に義の王、次にサレムの王、すなはち平和の王なり。父なく、母なく,系図なく、齢の始めなく、生命の終なく、神の子の如くにして限りなく祭司たり。

そして、イエス・キリストに就いては、

『なんぢは永遠にメルキゼデクの位に等しき祭司たり』と 言う。 -5:6,7:17-

我らには、斯かる大祭司が付いておられ、天来の祝福を与えてくださるのである。