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王かれに言ひけるは 后エステルよなんぢ何をもとむるや なんぢの願意(ねがひ)は何なるや 國の半分(なかば)にいたるとも汝にあたふべし -エステル書5:4-
エステル書は、単に史実を語るのみでなく、キリストと教会との関係、神の愛と恩寵の深さ、聖と悪との戦い、など多くのことが記されている。
インドからエチオピアに至る127州の広大な領地を治めたペルシャのアハシュエロス王は、キリストの型である。
王は、治世の3年に国の牧伯と下僕を集めて180日に及ぶ酒宴を開き、国の富と威光を示した。神の国は常に栄光で輝いている。
酒宴の最後の日、王は后ワシテを召して、その美貌を民に見せようとしたが、従わぬ后は地位を失う。
肉のユダヤ人が、キリストを受け入れず、神の御旨に副わなかった爲に、諸国に散らされたことの型である。
代わって后に選ばれたのはユダヤ人モルデカイの娘エステルだった。彼女は王の寵愛を得て后の冠を与えられ、エステルの酒宴が開かれた。
教会は、神の選民であり、キリストに許嫁(いいなずけ)された者である。而して時来たらばキリストの新婦となる光栄を約束されている。
エペソ書5:22~32には、一組の男女が結婚することは、奥義としてキリストと教会を指していると教えている。
その後、悪臣ハマンは、悪企みによってモルデカイとその民ユダヤ人を殺そうとするが、エステルの命を懸けた嘆願を、王は金圭を差し伸べ、上記の言葉をもって聴きいれ、ユダヤ人は救われ、悪臣ハマンは滅んだ。
悪魔は、神の御手に守られる教会に向かって絶対に勝つことはできない。
ユダヤ人には光輝(ひかり)あり 喜悦(よろこび)あり 快楽(たのしみ)あり 尊栄(ほまれ)ありき -8:16-
「あなたの願いは何ですか?あなたは何を求めますか?」と主なる神は問いかけています。