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「主よ、なんぢ我に五タラントを預けたりしが、視よ、他に五タラントを贏(まう)けたり」 主人いふ「宜いかな、善かつ忠なる僕、なんぢは僅かなる物に忠なりき、我なんぢに多くの物を掌(つかさ)どらせん、汝の主人の歓喜(よろこび)に入れ」 -マタイ25:20,21-

或る富める人が遠くへ旅立ちするに際し、三人の僕を呼んで、己が所有(もちもの)を各々の能力(ちから)に応じて預けました。ある人には五タラントを、或る人には二タラントを、またある人には一タラントを預けて出かけました。

三人は、それぞれ主人から預かったタラントに付いて考え、行動しました。

五タラントを預かった僕は、それを元手にして働き、他に五タラントを儲け、合計十タラントにしました。

二タラントを預かった僕は、それを働かせて、他に二タラントを儲け、四タラントにしました。

しかし、一タラントを預かった僕は、地面に穴を掘って、その銀を隠したのです。

暫くして、主人が旅を終えて帰ってきました。そこで僕たちは、それぞれ預かったタラントを持って主人の許へ来て、精算をしました。

五タラントを預かった人は、儲けの五タラントを合わせて、十タラントを主人に差出し、これは全て主人のタラントです、と言いました。 主人は、大層喜びました。

二タラントを預かった人も、儲けた二タラントを合わせて、四タラントを主人に渡して、これは全て主人のタラントです、と言いました。 主人は、大層喜びました。

最後に、一タラントを預かった人が、地面を掘り起こして、出てきた銀を差し出して、これは主人のタラントですと言いました。

「なぜ、一タラントなのか」 と主人が問うと、「ご主人は厳しい人なので、懼れて地に隠しておきました。これは元々主人のタラントですから、お返しします」と答えました。

主人は、大変に怒って 「悪しく、怠れる僕。それなら、お前に預けず、銀行に預けた方が、利子もついてよかった。無益な僕よ出て行け」 と言いました。

彼の一タラントは、十タラントを儲けた人に与えられました。「すべて有(も)てる人は、与えられて愈々豊ならん。然れど有たぬ者は、その有てる物をも取らるべし」 と主は言われました。 

この富める人とは、主イエス様です。 主は私たち教会に属する者にタラントを与えておられます。 御霊の九つの賜物を与え、働きを為さしめてくださいます。 また福音を宣伝えて、多くの人を救いに導くためにも用いてくださいます。 教会を建設することも然りです。 一人々々に役割を与え、使命を与えてくださっています。 私たちは、喜んで主に仕え、働きたいと思います。

やがて、主が再臨される時に、私たちの働きの業に応じて、報いを受けることになります。

もしもお褒めの言葉をいただいたなら、こう答えることにしましょう。 「われらは無益なる僕なり、爲すべき事を爲したるのみ」と。 -ルカ17:10-

小事に忠なる者は、大事にも忠なり。小事に不忠なる者は、大事にも不忠なり。然らば汝等もし不義の富に忠ならずば、誰か眞の富を汝らに任すべき。また汝等もし人のものに忠ならずば、誰か汝等のものを汝等に與ふべき。 
-ルカ16:10,11-