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                 エリコ ・ 試練の山

我らが此の地に打いらん時は 汝我らを縋(つり)おろしたりし窓に 此の一條(ひとすじ)の赤い紐を結つけ 且つ汝の父の家の眷族を悉く汝の家に聚(あつ)むべし 
-ヨシュア2:18-

出エジプト後のイスラエルの民は、ヨルダン川の辺に立った。ヨシュアは目の前のエリコの城壁を見上げて、その中の様子を探るべく二人の間者を送り込んだ。

二人は町に入り、遊女ラハブの家に入って寝たが、或人がエリコの王に、間者がラハブの家にいると告げた。そこで使いの者がラハブの家にきたが、ラハブは偽って「二人は来たが、早々に立ち去った。かれらがどこから来て、どこへ行ったかは知らない」と言った。その実、屋根の上に並べていた麻の中に二人を隠したのだった。

王の使いが去ったあと、ラハブは二人の許に行って言った。

「神ヱホバは、この地をあなた方に与えられました。私たちは大変あなた方を怖れています。この地の民は皆あなたがたの前に消え去ることを私は知っています。なぜなら、あなた方がエジプトを出たときに、エホバが紅海の水を分けたことや、旅路の邪魔をした二人の王シホンとオグとを滅ぼしたことを聞きました。私たちはこれを聞いて心怯け、魂は消え失せました。

出エジプトの出来事があってから40年経った。ラハブは、幼い時に周囲の大人たちから、イスラエル人がエジプトを出た時に紅海が二つに分かれ、その間を通ってシナイの地に渡ったことや、追いかけてきたエジプトの軍勢が海の藻屑となって滅んだことなど、劇的な出来事を聞かされていた。そして雲の柱と火の柱に導かれ、時々刻々と荒野を移動し、カナンの地へ、このエリコの町に近づいてくることも知らされて、生ける神だと畏敬の念を抱いていた。

   汝らの神ヱホバは上の天にも 下の地にも神たるなり -11節-

とラハブは言った。

そしてさらに二人に向い、
  
然ば請う我すでに汝らに恩を施したれば 汝らも今ヱホバを指して我が父の家に恩をほどこさんことを誓ひて

   我に眞實(まこと)の記號(しるし)を與へよ
 
又わが父母兄弟姉妹および凡て彼らに属る者をながらへしめ 我らの生命を拯(すく)ひて死を免かれしめんことを誓へよ と言い、二人を城壁の上にある窓から釣りおろした。 -12,13-

二人は、ラハブに向い、「神がこの地を我等に与え給う日、この窓に赤い紐を結い付け、かつあなたの父母や兄弟及び凡ての眷族を家に集めよ」と言った。

ラハブは、二人が去ったあと、その窓に赤い紐を結いつけた。

「赤い紐」とは、主イエス・キリストの血を指し示し、救いを示している。

過越しの血を見る時に、御使いがその家を過越したように、またノアの箱舟に入った者は、洪水から救われたように、窓にある赤い紐は救いのしるしでした。

エリコの城を巡る戦いがはじまり、イスラエルは大勝利を得た。

その日、ヨシュアは間者であった二人に命じて、ラハブの家に行き、その家に集まった凡ての人たちを携え出し、イスラエルの陣営の外に置いたのでした。

信仰に由りて遊女ラハブは平和をもて間者を受けたれば、不従順の者とともに亡びざりき。 -へブル11:31-
 
それのみならず、ラハブは、信仰者としてイエス・キリストの系図の中に入れられたのです。

サルモン、ラハブによりてボアズを生み、ボアズ、ルツによりてオベデを生み、・・・ダビデ王を生めり。 -マタイ1:5,6-