img031a 2ロトの妻 MountSodo                                           
                      ソドム山にあるロトの妻の岩


アブラハム言ふ わが主怒らずして今一度言しめたまへ 若しかしこに十人看(み)えなば如何 ヱホバ言たまひけるは 我十人のためにほろぼさじ 創世記18:32

カナンの地でアブラムと甥のロトは共に富める人となった。持物の羊や牛など家畜が互に増えたために、双方の牧者の間で争いが起きた。アブラハムはロトに語って、別々の場所で家畜を飼おうと提案した。

ロトが見るに、ヨルダンの低地帯が潤っていたのでこれを選び、別れて行きソドムに住んだ。ソドムの人々は悪しく、神の前に大なる罪人であった。

一方、アブラムは高台に住んだが、神の恵みにより広大な土地と子々孫々に至る祝福を約束されて増々栄えて行った。

或る日、アブラハム(改名)は三人の旅人の来訪を受ける、それは、神ご自身と二人の御使いが人の姿をとって現れたのである。そして神が定めた二つの秘密の計画を啓示してくださった。

第一は、翌年百歳になろうとするアブラハムと九十歳になるサラに男の子を授ける約束である。 第二は、ロトの住む町ソドムの悪が天に達したので、火を降して滅ぼそうと云うのである。  

これを聞いて、アブラハムはロトの生命の救われん事を求めて、心が焼けるようになり、執成しの嘆願を神にするのである。

アブラハムは神に近づき「なんぢは義者をも悪者と俱に滅ぼし給ふや 若し邑(まち)に五十人の義者あるも汝なほ其の処を滅ぼし 其の中の五十人の義者のためにこれを恕(ゆる)したまはざるや なんぢ斯くの如く為して義者と悪者と俱に殺すが如きは是あるまじきことなり・・・。」 神は彼の願いを聞き入れて義者が五十人いるならばソドムを赦すと答えられた。アブラハムは「では、五人欠けて四十五人では如何ですか」と尋ねた。神は「四十五人いれば滅ぼさない」と言われた。「では、四十人では如何でしょう」 「宜しい」 「では、三十人では」 「宜しい」 「ならば、二十人では如何」 「宜しい」 「わが主よ怒らずして今一度言しめたまへ 若し かしこに十人看(み)えなば如何」 「我十人のためにほろぼさじ」 アブラハムの切なる願いを聴きいれて、神は義者が十人いればソドムの町の罪を赦すと言われたのである。

だが、ソドムの町に義者は十人いただろうか。二人の天使がロトの家を訪れると、町中が騒ぎ立ち、二人を出せとロトに詰め寄った。ロトの家族のほかに義者はおらず、救わるべき者はいなかった。斯くてソドムの滅びは決定した。

ソドムの町が滅んだ日、ロトと妻と二人の娘はゾアルの町に逃げた。天使は決して振り返るなと警告しが、天から火が降った瞬間、「ロトの妻は後ろを回顧(かへりみ)たれば塩の柱となりぬ」となった。19:26 「ロトの妻を憶(おも)へ」と主は諭される。 ルカ17:32

神は「ただ一人の亡ぶるをも望み給はず、凡ての人の悔改めに至らん事を望みて、汝らを永く忍び給ふなり。 ペテロ後3:9