少年ダビデ


11
ツロの王ヒラム使者をダビデに遣はして香柏および木匠(たくみ)と石工をおくれり 彼らダビデの爲に家を建つ
12 ダビデ、エホバのかたく己をたてゝイスラエルの王となしたまへるを暁(さと)り  またヱホバの其民イスラエルのために其國を興したまひしを暁れり

                                  サムエル後5:11,12

ダビデは、若き日に王となるべく神に選ばれ、サムエルによって膏を注がれた。此の日よりヱホバの霊が彼に臨んだ。

ダビデは、ぺリシテ人との戦いで敵の挑戦者、巨人ゴリアテを神の名により投石器の石をもって倒して大勝利を収め、「サウルは千人をうち殺しダビデは萬をうち殺す」と民に賞賛された。だが、この日より後、ダビデはサウル王の妬みをかい命を狙われるが、神は彼を守り続けられた。

ぺリシテ人との戦いでサウル王と長子ヨナタンの死し後、次子イシボセテが跡を継ぐが、一方ユダの家はヘブロンでダビデを王に立てて從った。

ダビデは益々強くなりサウルの家はますます弱くなった。そして最終的にサウルの家が滅亡した時、イスラエルの長老はみなダビデの許に来て、ダビデに膏を注いでイスラエルの王とした。ダビデは王となった時三十歳にして四十年の間位に在った。即ちヘブロンにてユダを治めること七年と六カ月、またエルサレムにてイスラエルとユダを全く治めること三十三年であった。

ダビデは、エルサレムに行きブス人の手よりシオンの要害を取って住み、ダビデの城邑(まち)と名づけた。

ダビデはますます大いに成りゆき且萬軍の神ヱホバが共におられた。

話は最初の聖言に戻って、これらの事を見ていた隣国ツロの王ヒラムが使者をダビデに遣わして、家を建てるための資材と人員を派遣したと言うのである。隣国の王が確かなる神の祝福がダビデにあるのを見てとったのである。

ヒラムがそのようにしてくれたことによって、ダビデもまた神によって王とされたことと、民の為に神が王国を興されたことを暁ったのである。

曾て神は、イスラエルの民が御自身以外の者を王とするのを善しとし給わなかった。士師サムエルも然りであった。そして結局のところ民が立てたサウル王は、神に從わず、罪を犯す不逞の輩であって、神に捨てられた。その国もぺリシテ人やアマレク人の侵略を受け、戦いの連続であった。

今茲に神によって選ばれ立てられたダビデ王によって、主なる神の聖名が崇められるに至ったのである。  

そして神によりダビデ家とユダとイスラエルの家とに祝福と繁栄とが齎されたのである。

私たち一人々々の上にも祝福が豊かにありますように!